令和5年度「歯・口の健康に関する図画・ポスターコンクール」「歯・口の健康啓発標語コンクール募集ポスター
令和3年度歯・口の健康啓発標語コンクール 大阪市代表
日本歯科医師会・日本学校歯科医会主催コンクール最優秀作品
茨田中学校 3年
藤原ひよりさん
令和3年度歯・口の健康に関する図画ポスターコンクール
日本学校歯科医会入賞作品
(大阪市代表)優秀賞
工芸高等学校3年
山下瑞葵さん
平成27年度歯・口の健康に関する図画ポスターコンクール
日本学校歯科医会入賞作品
(大阪市代表)優秀賞
鶴見小学校1年
武部彩花さん
大阪市学校歯科医会では会員の先生方の学校歯科医としての資質の向上を計ることを目的として 毎年、会員研修会を開催してきました。
第1回は、昭和63年に開催された日学歯の指導者養成セミナーを受講された会員による伝達講習会が開催されました。その後、この日学歯セミナーは毎回伝達講習会を開催し、講習内容を会員に研修して頂きました。そして、平成7年の学校保健法の改正によって COやGOの導入などの健康診断基準の変更が行われたことを受けて その研修会が企画されて開催されました。また、学校歯科医が学校現場で児童生徒や保護者対象に授業や講話ができるようにその方法を習得する会員研修会も開催されるようになりました。
平成21年から 日本学校歯科医会の学校歯科医 生涯研修制度の基礎研修会が始まったことを受けて毎年開催し全会員中95%の受講率を上げることができました。
大阪市学校歯科医会としましては 最新の学校歯科保健情報を提供し 児童生徒の歯・口の健康づくりに役立つ会員研修会を開催できるようにいたします。
令和5年度の会員研修会は、東京都立大学名誉教授、放送大学客員教授であります星旦二先生を講師としてお招きしました。また、講演終了後、公益社団法人 ライオン歯科衛生士研究所の歯科衛生士 田中さんより第80回全国小学生歯みがき大会の参加を呼び掛ける説明がありました。
記
日 時 令和5年12月2日(土) 午後3時~5時
場 所 大阪府歯科医師会館 大ホール
講 師 東京都立大学 名誉教授 放送大学 客員教授 星 旦二 先生
演 題 「なぜ、かかりつけ歯科医師がいると長生きなのか」
講演内容
かかりつけ歯科医師だけを持っている人は、かかりつけ内科医師を持っている人よりも長生きする。その背景は、自分自身に病気がない、収入が高く学歴があるという複眼的思考をエビデンスに基づき検証された講演でありました。
日常生活が好ましい状況であること、すなわち住居状況、食生活状況、前向きな気持ちが持てる精神状況など環境を整えることにより健康長寿になる要因があることをデータ分析によって示されました。子どもの好ましい生活習慣を規定するのは、親とよく遊ぶことや家族との食事 親も楽しむ家庭を築くこと、子どもが目標と夢を持つ健康志向行動が必要であると示されました。東京都港区歯科医師会と共同で追跡調査を行い、かかりつけ歯科医師が歯科衛生士と共に、受信者の口腔ケアにおいて歯間ブラシを使うことで歯肉の健全や口腔衛生の向上に寄与し、その4年後の望ましい食を経て本人のQOLが規定される因果構造を世界で初めて明確にされました。また、日本の医療現状を元厚生省国立公衆衛生院、厚生省大臣官房医系技官兼任をされていた立場で今なら話せる貴重なお話も伺うことができ、会員の先生方の見分が広がったと思いました。
健康長寿になるためには
1, かかりつけ歯科医師だけを持つ
2, その背景は、病気が少ない
3, 本質的な基盤は、学歴と所得
4, 子どもの身長が伸びることが原点
5, 暖かい家で血圧安定化
6, 石油ストーブ廃棄
7, 楽しく、毎日酒を飲む
令和4年度の会員研修会は、昨年度と同様にコロナウイルス感染拡大防止のため、事前申し込み制とし人数制限を行って開催いたしました。今年度は、大阪大学名誉教授、関西女子短期大学教授であります脇坂聡先生を講師としてお招きしました。また、途中休憩時間に公益社団法人 ライオン歯科衛生士研究所の歯科衛生士 田中さんより第80回全国小学生歯みがき大会の参加を呼び掛ける説明がありました。
記
日 時 令和4年12月3日(土) 午後3時~5時
場 所 大阪府歯科医師会館 大ホール
講 師 大阪大学大学院 名誉教授 関西女子短期大学 教授 脇坂 聡 先生
演 題 「口腔感覚の発育と摂食行動」
講演内容
五感の発達
摂食行動を五感に置き換えると、食べ物を確認(色や形)する視覚、食べ物の香りやにおいを感じる嗅覚、咀嚼時の歯や舌の体性感覚の触覚、そして五味を感じる味覚、咀嚼音を感じる聴覚がある。それぞれの発達では、視覚は新生児の視力は、0.02で白、黒、グレーが識別でき、ほぼ完成するのは、6歳から10歳ごろである。この間に過度の刺激は発達に何らかの影響を与える。嗅覚の発達も早く目の見えない新生児は、母親をにおいで認識すると言われている。聴覚は、出生時点で形と神経機能は完成していて体性感覚のうち痛覚も早い時点で発達する。味覚に関しては、味覚受容器(味蕾)の形態的・機能的成熟に関係しておりさらに上位脳の発達(三歳位)や味覚の学習などにより機能が獲得される。
味覚受容の概要
味覚受容器(味蕾)は、舌(舌背上皮)や硬口蓋と軟口蓋境界部、軟口蓋(口蓋上皮)の他に咽頭や喉頭にも存在する。また胃や腸の細胞にも受容体の細胞がある。味蕾の数は、人で、9000、牛は20000、ネコは500、トリ25である。
口腔感覚の発達、温度感覚
口腔内の温度感覚は冷刺激に対する受容体が多く、冷たいものに敏感である。熱刺激や痛いほどの冷たさの刺激に対しては鈍感である。また、温感より冷感の方が順応は遅く、感覚点も多い。胎児と成人の舌背粘膜上皮と硬口蓋粘膜上皮を比較すると成人では、角化層が見られるが、胎児では角化層が無く、乳頭の発達や固有層のコラーゲン繊維の発達が弱いため乳児は、熱いものは苦手である。
基本味について
基本味とは、酸味、塩味、苦味、甘味、うま味のことであり、明らかに他の基本味と異なり、他の基本味と組み合わせてもその味を作り出せない、またその味を持つ物質が、普遍的であり、これらの刺激で味神経に活動電位を発声させることができるものである。また温度との関係では、塩味、苦味は温度が低いと強く感じ、甘味は、体温近くでもっとも甘く感じる。酸味は、温度変化に関係しない。
口腔感覚の発達、歯根膜感覚
歯根膜神経線維の機能は、歯根膜感覚受容と顎運動の調節がある。歯根膜神経繊維により歯根膜感覚が成り立っており、咬合により歯根膜神経繊維が増加して正常な感覚機能が発揮される。噛む事が無くなると神経組織が廃用性委縮を起こし歯根膜神経が減少する。これらのことより、噛ませることは大切である。
美味しさの発達
美味しさとは、食べる側の状態や食べ物の状態、そして環境的要因、生理的要因さらに、外部環境や心理的要因など様々なファクターが、関係して成り立っている。
好き嫌いはどうしてできる
先天的な好き嫌いとしては、生体が要求している味に甘味、塩味、うま味がありそして、酸味や苦みは、本来不快な味としてとらえられている。
後天的な好き嫌いでは、胎児は母親が摂取する食べ物の風味や匂いを感じていること、新奇性恐怖として「食わず嫌い」が言われている。また、食体験である食べ物で体調が崩れた場合は、味覚嫌悪学習になり、体調が良くなれば味覚嗜好学習となる。
女子大生に嫌いな食べ物のアンケート調査を行った結果(回答者数83名)、嫌いな食べ物1位はトマトであった。また、嫌いになった理由、時期については、食感、味、匂いが上位を占め、就学時前と答える割合が多かった。
味覚受容と栄養(・塩分摂取 ・亜鉛不足)
塩分摂取制限による行動学的変化は、塩分を減らすと食べなくなり体重が減少することや、味蕾の性質に変化が見られた。亜鉛の機能は、タンパク質の合成であり、亜鉛不足になると細胞分裂ができなくなり骨形成に悪影響を与える。
味覚障害について
味覚障害の原因は、亜鉛欠乏によるものとして食事性亜鉛欠乏と薬剤性亜鉛欠乏がある、また、うつ病や神経症などの心因性のもの、嗅覚障害による風味障害がある。
感想
歯・口の機能、働きでまず挙げられるのは、咀嚼、嚥下、さらに味わうという「食べること」に関する機能であるが、さらに話す、歌うといった発音や発声により「コミュニケーション」をとる機能、美しさや健やかにさ、笑顔に欠かせない表情を司る機能、そして力を入れる・食いしばる・バランスをとるなどの運動に関する機能があげられます。これらの機能を育むためには、学校での歯科保健活動は欠かすことができない重要なやくわりがあると思われます。特に2005年に「食育基本法」が執行され、食育推進にあたっての目標に「よくかんで味わって食べる」など食べ方を通して健全な心身の糧を築き豊かな人間性を育むことが可能となるとしており、今回の研修会ではまさに「食べ方」や「味覚(五感)」などを通して歯科保健の立場から健康づくり「食育」に通ずる内容でありました。
令和2年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響をうけ、急遽中止となりました会員研修会は、令和3年度大阪大学大学院歯学研究科予防歯科学教授 天野敦雄先生を講師にお迎えし開催しました。当日は事前申し込み制とし先着順とさせていただきました。
記
日 時 令和3年12月4日(土) 午後3時~5時
場 所 大阪府歯科医師会館 大ホール
講 師 大阪大学大学院 歯学研究科 口腔分子免疫制御学講座 予防歯科学
教授 天野敦雄先生
演 題 「歯周病は小児期から始まる」
講演内容
1.歯周病菌の定着時期
腸内細菌叢の完成は3歳頃と言われていますが、口腔細菌叢の完成は成人後です。 小学校低学年児の口腔内に歯周病菌はいません。小学校高学年以降に歯周病菌が住み着き始めます。そして、いろんな種類の菌が定着し、プラークの菌の種類が複雑になります。最も強力な歯周病菌は18歳頃以降にパートナーの唾液を介して感染します。うつさない、うつされないために小児期からの準備が必要です。
歯周病菌は汚い口には容易に定着し、綺麗な口には定着しにくいことが判ってきました。プラークが多数の菌種からなる高病原性のものになるかどうかは、小児期からのプロフェッショナルケア、セルフケアの質の影響を受けます。 歯周病菌が定着すると、歯周病原性プラークが完成します。住み着いた菌はもう追い出せません。
2.歯周病の発症原因
歯周病はプラークの病原性が「低病原性」から「高病原性」にシフトすることにより発症します。このシフトによって、「プラークの病原性」と「歯ぐきの抵抗力」との間のバランスが崩れ、歯周病が発症・進行します。プラークと歯周組織とのバランスが崩れるのは、歯ぐきから血が出るようになった時です(歯を磨いたら血が出るようになります)。歯周病菌は血液中の赤血球ヘモグロビンを鉄源として利用し、血清タンパク質を栄養素として摂取します。その結果、栄養補給をした歯周病菌は大いに増殖しプラークの病原性は高まります。
3.口呼吸の歯周組織への影響
小児期の口呼吸癖は歯周組織に乾燥による炎症をもたらすとともに、プラークを堅くし歯ブラシでは十分に落とせなくなります。その結果、歯肉炎や口臭が起こります。口呼吸による歯肉の慢性炎症はプラーク細菌に栄養素を供給し、プラークの病原性を高めます。口呼吸の継続によって、成人期以降の歯周病発症にも影響を与えます。
4.健口を守る
小児期の口腔管理は虫歯予防のためだけではありません。大人になってからの歯周病の予防にも大きな意味を持っています。 守れ、子どもたちの健口!
「令和3年度大阪市学校歯科医会マウスガード講習会」は、当初 開催日を10月30日でご案内させていただいておりましたが、大阪府歯科医師会主催「大阪府歯科保健大会」と重なり、11月6日に開催日を変更いたしましたが、専門学校 実習室の使用が不可能となっており、日程を改めて11月28日に本町のサラヤメディカルトレーニングセンター(SMTC)で開催しました。この講習会は日本スポーツ歯科医学会(JASD)認定MG講習会で、終了後は受講者全員に認定証をいただきました。初めての日曜日の開催、会場もSMTCと新しい会場といつもとは違う会場となりましたが、終始和やかな雰囲気で有意義な講習会は終了しました。
記
開催日時 令和 3年11月28日(日) 午前10時 ~ 午後1時
場 所 サラヤメディカルトレーニングセンター(SMTC)
講 師
前田芳信先生 大阪大学大学院歯学研究科特任教授
町 博之先生 大阪大学歯学部附属技工士学校教務主任
権田知也先生 大阪大学大学院 講師
金澤 歩 先生
講習会内容 最新スポーツ歯学のトピックス、マウスガードの効果などに関する講演
ご自身で使っていただけるマウスガード製作実習
ラグビーワールドカップが大盛況のうちに終わりいよいよ2020東京オリンピック、パラリンピックに国民の興味が盛り上がってまいりました。今回、学校現場における安全管理と安全指導、教育(マウスガード普及啓発を含む)に役立てていただけるよう、マウスガード講習会を開催しましたので報告いたします。
開催日時 令和元年12月14日(土)午後2時~5時
場所 一般社団法人大阪府歯科医師会
附属歯科衛生士専門学校 実習室
講師 前田 芳信先生 大阪大学大学院歯学研究科特任教授
町 博之先生 大阪大学歯学部附属技工士学校教務主任
権田 知也先生 大阪大学大学院 講師
金澤 歩 先生
講習会内容(講演、実習)
最新スポーツ歯学のトピックス、マウスガードの効果などに関する講演
ご自身で使っていただけるマウスガード製作実習
参考図書
マウスガードの製作ガイド 永末書店
羽生専務理事司会のもと西本会長挨拶の後、前田教授によるマウスガードに関する最新情報の講義が始まった。
実習中に自身で使うマウスガードを完成させる事を目標に実習が始まった。受講生の用意した自身の上顎模型についての注意事項説明の後、模型へのマウスガードシート圧接が行われた。
最新のバキュームフォーマーを使いシート圧接が行われた。機械の特徴、使用方法など業者担当者(株式会社スマートプラクティスジャパン、株式会社松風)より説明を受けた。
町先生による実習が始まった。手元がスクリーンに映し出されよく見える状態で作成における細かい注意点の指導が行われた。
実習中は講師の先生方が各テーブルをまわり、受講者の質問に答えてくれた。
町先生よりマウスガードの辺縁の処理について詳しく説明を受けている様子。
前田教授よりエンジンのハンドリングのコツについて指導を受ける様子。
各自用意した咬合器についた模型にマウスガードを装着し咬合調整が行われた。マウスガードを研磨しマウスガードを完成させた。(山八歯材工業株式会社より材料提供)
完成したマウスガードを装着し、「い あ う」と発音した時外れないことを確認した。自分で使えるマウスガードを完成させ実習は終了した。
3時間にわたる講義、実習がおわり受講者に修了書が授与された。今回の講習会は一般社団法人日本スポーツ歯科医学会認定マウスガード講習会として開催された。
最後に美島副会長よる講師の先生方への謝辞で締めくくりマウスガード講習会は終了した。
終わりに
国の方針としてはスポーツ基本法(平成23年法令第78号)第十六条(スポーツに関する科学的研究の推進等)に歯科の役割が明記され、第1期スポーツ基本計画(平成24年度~平成28年度)では具体的施策展開にマウスガードの着用の効果などの普及啓発が挙げられた。現在、第2期スポーツ基本計画(平成29年度~33年度)において数値目標が示され学校体育をはじめ子供のスポーツ機会の充実による運動習慣の確保と体力の向上が求められている。
また、学習指導要領が改定され小学校は2020年度から、中学校は2021年度から、高等学校は2022年度からスタートする。そこには「生き抜く力」を育むために、「主体的・対話的で深い学び」(アクティブラーニング)の実現が大きなテーマに掲げられています。つまり学校現場における安全管理と安全指導、教育のために学校歯科医と学校教職員との連携が大切になってまいりました。内容としては従来行われてきたむし歯、歯周病だけでなく口腔外傷(マウスガード普及啓発を含む)についても求められています。
口腔外傷についての講義に加え、実際生徒、教職員がマウスガードを装着してみることによるマウスガードの着用の効果などの普及、啓発をアクティブラーニングの題材としてみるのもよいかと思います。
今回、すでにマウスガードを幾人もの患者に作り活躍されている先生も含み多くの先生方にマウスガード講習会にご参加いただきました。益々の学校と学校歯科医の連携を深め子供たちの成長に役立てるよう来年度以降も開催できるよう努めて参りたいと思います。
令和元年12月7日大阪歯科大学 100 周年記念館 中講義室にて大阪大学大学院歯学研究科 小児歯科学教室 仲野 和彦教授をお招きして会員研修会を開催しました。下記の演題を、2時間にわたり昨今話題になっている事柄を交えて講演して頂きました。
日 時 令和元年12月 7日(土) 午後3時 ~ 午後5時
場 所 大阪歯科大学 創立100周年記念館 3階 301中講義室
講 師 大阪大学大学院歯学研究科小児歯科学教室 仲野 和彦教授
演 題 「学校歯科医の先生方にお伝えしたい小児歯科領域のトピックス」
資料 ・福岡県で発生した歯科治療後の2歳児の死亡事故について
日本小児歯科学会
・小児におけるラバーダム防湿法の使用について
・日本小児歯科学会における身体拘束下での歯科治療に関する
基本的考え方
・感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン
講演内容
1.小児におけるう蝕と歯周疾患
う蝕に始まりはミュータンス菌の伝播から/う蝕に対する治療計画/急性
症状がある時に抑制して処置するか/無麻酔下での処置は/咬傷への
注意喚起/う蝕に起因する顔面の腫脹/幼若永久歯へのう蝕治療/卒乳
時期とう蝕/イオン飲料とう蝕/歯周疾患への対応/小児歯科領域の
歯周疾患/全身疾患関連歯周炎/低ホスファターゼ症HPPの診断指針/
HPPにおける乳歯早期脱落/早期発見する意義/阪大病院における現況
2.小児における歯列咬合
3歳児健診における不正咬合の判定基準/幼児期の歯列咬合の治療/
吸指癖へのアプローチ/機能性交叉咬合/機能性交叉咬合の治療と症例
3.小児における歯の外傷
初診時に注意すべきこと/歯の外傷症例/永久歯の陥入に対しては/
乳歯・永久歯の再植について/固定時期の目安について/
後続永久歯に現れる後遺症/乳歯義歯/歯ブラシによる外傷
4.虐待の早期発見につながる口腔所見
子ども虐待対応防止ガイドライン/児童虐待を疑うケース/児童虐待
早期発見の取扱い手順/被虐待児の口腔状態/診断用アセスメントシート/
日本子ども虐待防止歯科研究会
5.乳歯・永久歯の萌出調査
日本小児歯科学会による約30年ぶりの調査/各乳歯の萌出月齢/
前回調査との比較/日本人乳歯の標準萌出時期/今回の調査結果に関する
コメント/各永久歯の萌出月齢/前回調査との比較/日本人永久歯の
標準萌出時期/今回の調査結果に関するコメント
6.口腔機能発達不全症
口腔機能発達不全症の取材/口腔機能発達不全症/口腔機能発達不全症の
加算と算定要件/小児口腔機能管理加算/口腔機能に関する問診票/
具体的な症例/子ども達の歯科医療増進のためのよきパートナーとして
日本子ども虐待防止歯科研究大会が令和2年に大阪で開催予定です。
2019ラグビーワールドカップ、2020東京オリンピックパラリンピックとスポーツの国際大会、大イベントがいよいよとなってまいりました。それとともに歯科医師の活躍の場として外傷予防(脳振とう予防など)に期待が高まっています。しかし、マウスガードの普及と考えますと学校の先生からマウスガードとはどんなもの?どこで作れるの?といった声がまだまだ聞こえます。今回、大阪市学校歯科医会としましては学校現場におけるそういった声に答えるため先ずは支部長先生対象にマウスガード講習会を開催しました。
記
日 時:平成31年3月16日(土曜日) 午後3時から5時
場 所:大阪府歯科医師会 附属歯科衛生士専門学校 6階 実習室
講 師:前田芳信先生 大阪大学大学院歯学研究科特任教授
権田知也講師 大阪大学歯学部付属病院 咀嚼補綴科 講師
町 博之講師 大阪大学歯学部付属技工師学校 講師
研修日程:
司会 西本達哉専務理事
会長挨拶 岡本卓士会長
講師紹介 吉松昌之理事
講義 前田教授
デモ及び実習 権田先生 町先生
マウスガードの設計の説明
マウスガードシートの形成
マウスガードトリミング
咬合調整
質疑応答 前田教授
謝 辞 岡本卓士会長
閉会の辞 長崎三男副会長
大阪市学校歯科医会の初の試みとして支部長先生対象にマウスガード講習会が開催されました。前田先生は日本スポーツ歯科医学会公認マウスガード講習会を行っており、その主要講師の権田先生、町先生も参加いただきました。
今回配布いたしました、使ってもらえるマウスガードの作製ガイドは安井先生、前田先生が編集、権田先生、町先生、松田先生が著者です。
前田教授の講義が講師の紹介の後行われました。講義の内容としましては
・最新のスポーツ歯学のトッピクス
・マウスガードの効果のエビデンス
・マウスガード作製のポイント
・マウスガード使用上の注意
・マウスガードの交換時期 等
でした。
権田先生によるマウスガード設計の説明、シートの圧接のデモがあり、参加者による実習が行われました。参加者は途中質問もしながら熱心に受講されていました。シート圧接時の注意点や勘所の説明がありました。
町先生のトリミングのデモがあり、その後参加者による実習が行われました。今回配布したバーの使い方を試してもらい、舌側歯頚部のトリミングを習得していただきました。トリミングの実習が終わった後、町先生による咬合調整のデモがありでも実習は終了しました。
講習会終了後懇親会が行われ、スポーツ歯学の将来や前田先生が9月に企画されている世界のスポーツコンセンサスを話し合う会議のお話など、意見交換がありました。今後の会員向けの講習会の開催を約束し、懇親会は終了しました。(文責 吉松昌之)
10月に開催される第2回支部長会の開催後は、指導者講習会を実施するようになって5回目を迎えました。今年度は日学歯の竹内純子常務理事と野村圭介常務理事による生涯研修制度の「専門研修」についての講習会を開催いたしました。
専門研修は学校歯科医が学校での実践活動をより充実させるために「保健教育」「保健管理」「組織活動」の3つの領域で研修するものですが、今回はその中の「保健教育」について講演だけでなく、ワークショップの体験実習も行いました。このグループワークによる学習指導案の作成実習は参加者にとって今後の学校歯科保健活動に大いに役立つ内容であったと思われます。
記
1 開催日時:平成30年10月20日(土) 午後3時 ~ 5時
2 場 所:大阪府歯科医師会館 第6会議室
3 演 題:日学歯 学校歯科医生涯研修制度 専門研修「保健教育」について
4 研修内容
【講義Ⅰ】 「保健教育」の目標 竹内 純子 常務理事
生きる力を育む学校での歯・口の健康づくりの意義や目的、取組を話され、健康教育の目標を達成するための指針を話されました。
【講義Ⅱ】 学校歯科医「保健教育」の意義と展開 野村 圭介 常務理事
学習指導要領の改訂点を解説され、アクティブラーニングを使った魅力的な歯科保健学習について説明されました。そして、少人数でのブレスト会議によるワークショップの進め方を具体的に解説されました。
【ワークショップ】
①課題を抽出して各班のテーマを決める
小学校や中学校における生活習慣や食生活習慣、歯みがき習慣の年次比較データから各班毎に事前にテーマの設定を行いました。
②そのテーマに沿って、実際の解決策としての指導案を作成する
テーマに関するブレスト会議を行い、思いつく内容を付箋に書いて模造紙に張り付けました。そして、その中から学習活動の導入や課題の追求や解決についてグループ毎に意見を集約してまとめられました。
③各班の代表者からの発表を行う
班毎のテーマについての作成した学習指導案を5分の制限時間で発表されました。
④指導講評
講師の野村常務と竹内常務から各班が作成した学習指導案についての評価をしていただきました。また、「今日の講習会の開催方法は、日学歯の次回の専門研修の参考にさせてもらう」とのお言葉をもらいました。
5 ワークショップの班分け
○ 小学校A班 助言者 普光江理事 梅本理事
(支部長) 北北 奥村支部長・北大淀 尾辻支部長代理・都島 岡山支部長
◎天王寺 西本支部長・西淀川 松田支部長・東淀川 辻本支部長
(テーマ) 食生活習慣の『清涼飲料水を毎日飲まない』
○ 小学校B班 助言者 ◎讃井理事 川上常務
(支部長) 旭 赤塚支部長代理・城東 松本支部長・住之江 杉本支部長
住吉 西川支部長・西成 清水支部長
(テーマ) 歯みがき習慣の『歯をみがいても歯ぐきから血が出ない』
○ 幼・中・高A班 助言者 柳田理事 長谷川理事
(支部長)◎此花 上野支部長・中央東 柴田支部長・◎中央南 田嶌支部長
西 横石支部長・大正 鳥羽支部長・淀川 藤野支部長
(テーマ) 食生活習慣の『食べ物をよく噛んで(1口30回)食べる』
○ 幼・中・高B班 助言者 上田理事 吉松理事
(支部長)生野 林支部長・東成 林支部長・浪速 眞弓支部長代理
阿倍野 川西支部長・平野 吉田支部長・◎河村学術部員
(テーマ) 歯みがき習慣の『歯・口のけがをしないように気を付ける』
◎の先生が各班が作成した学習指導案の発表者です。
※助言者は専門研修の受講修了者や受講研修中の理事が担当しました。